終末期・緩和ケアを専門とする作業療法士のブログ~死について、もっと前へ…~

終末期・緩和ケア分野で働いている作業療法士の藤田と申します。日々の臨床で感じること、思ったこと今までの経験などを書き記していきたいと思います。終末期リハビリはまだまだ始まったばかりの分野です、意見交換できれば幸いです。

【定員に達しました】終末期・緩和ケアの初回面接法 in埼玉

※ 参加定員に達しましたので、募集締め切ります。

 

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 

FBの方では少しつぶやいたんですが

 

今回、終末期リハビリについて講習会を開催することにしました。

 

テーマは初回面接について。

 

「終末期リハはどんなことをしているんですか?」色々な方に聞かれます

「何をすればいいのか分からない」色々な方に聞かれます

 

思うに、「初回面接」が皆様苦手なのではないでしょうか?

藤田は終末期リハを行うに当たって初回を何よりも大切にしています。

 

患者様の安心もそうですが、私自身がぶれない為…と言うところが大きいです。

 

初回面接は決してその場の思い付きでおこなうのではなく

ある程度のセオリーがあり、それにのっとって行えば決して難しいものではありません。

そして患者様、ご家族、リハ職と関係性の再構築のきっかけになります。

関係性の再構築についてはコチラから

kanwakea-fujita.hatenablog.com


死を前にした患者様に対して、こちらが動揺せず、患者様が安心して残りの時間を過ごすための最初の一歩について考えてみませんか?

 

講習会の詳細は以下の通りです。ご参加お待ちしております。

藤田



生きる希望を取り戻すスピリチュアルケアを取り入れた3-STEP法

 

終末期リハビリ、大変なのはわかるけどなんだか難しそう…どうしていいのかわからない…そう思ってしまいませんか?

【こんな方にオススメ】
・終末期の患者様を担当するにあたってどうすればよいか分からない
・患者様とのかかわり方に自信が持てない。
・リハビリ意欲が低い人に何をすればよいのか?
・患者様に寄り添ったリハビリを提供したい。
・患者様に「もうすぐ死ぬ」と言われたらどうしよう。
・「私は治るんですか?」どう答えたらいいのだろう。

とても難しいと思われがちな終末期・緩和ケア分野のリハビリですが

『初回面接』のコツがしっかりできていればあとは従来の整形外科や脳卒中などのリハビリと全く変わりありません。

初回介入で患者様とリハビリとは何か?何のために行うのか?を共有する方法をお伝えします!

【内容】

・初回面接で『やってはいけない』こと5つ
・初回面接で『やるべきこと』4つ
・ケース別「3STEP面接法」
・どんな方でも自信を持って対応できるフローチャート
・ロールプレイ実習等…

翌日の臨床で使える実践的な終末期リハビリテーションについてお話しします。


【講師紹介】
藤田亮

埼玉県立がんセンター 作業療法士
姿勢発達研究会 認定講師
医療選択の自由を考える会 理事

神経難病からがん分野まで10年以上終末期分野で働き、数百名の患者様の人生の最期に寄り添い、どのような生き方を選ぶのかについて共に考えてきた。

現在は患者様だけではなく医療スタッフがいかにバーンアウトせずに患者様と関わっていけるのか?をテーマに活動中。

 

平成27年9月4日 10:00~12:00

参加費 3000円

場所

未来創造スペース~MIRAI AGEO~
http://coworkingcafe-mirai.com/access/

※人数によってはまれに場所を変更する場合があります。前日にお送りするメールをご確認ください。

定員4名

PT OT ST その他医療福祉関係者

 

  

お申し込み方法

講習会申し込みページ

からお申し込みください

 

お支払いについて

カード払い・銀行振り込み

詳細はお申し込み後にお届けする返信メールをご覧ください

場所確保の都合上、お申し込み後のキャンセルは受け付けておりません。

ご了承ください

「がん患者は看たくない」と言う医療者が多いのは何故か?理由を知ればバーンアウトは減る?②~「リハビリとはこうあるべきだ」という排他的志向~

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 前回の記事で「がん患者は看たくない」と話すセラピストがいるらしいと書いたところ。

「結構いるようだ」との情報を頂きました。(ありがとうございました)

 

私は臨床に出てから10年間、この分野にしかいないので、これが普通なのですが、やはり拒否をしたくなる理由もあるのだろうと思いました。

 

その方の実際は不明ですが、何故なんだろうということを私なりにも考えてみたいと思います。

原因を知ることでバーンアウトの原因、そして終末期医療の発展にもつながるかもしれません。バーンアウトにつきましては以下の記事もご参考ください。

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

 

仮説①:Thが理想とする「リハビリとはこうあるべきだ!」からずれる為

まず思いつくのが、終末期リハビリテーションの「リハビリっぽくなさ」が原因なのではないか?と言う点です。

以前も書きましたがリハビリテーションの意味とは「復権」ですので、その人が「死ぬ権利を取り戻す」こともリハビリと言えますが

現代の認識としては「身体機能の向上、自宅退院」等の極一側面がリハビリだと捉える部分が多いように感じます。

つまり、「終末期リハビリはリハビリではない」と言う認識であるため、

「患者様を治したい」と言う信念から遠ざかることが原因なのではないか?と言う仮説。

 

それに関連するものとして「終末期リハビリは回復期や急性期を勉強してからだ」と言う言葉があります。


同意する部分もあるのですが

要するに「私が信奉する急性期や回復期リハビリをないがしろにして、私が排他するほかの分野に手を突っ込むな、学ぶな」ということみたいです。(実際に言われました。)

正直そう言った方にリハビリの本来の意味は~なんてことを伝えても、理解を示していただけたことはありません。

その人の世界で終末期リハは「悪」と捉えられてしまっている部分があるのですから、自己肯定の意味も含めて排他的行動に出ることは多いようです。

 

そう言ったタイプの方の恐怖と言うのは「自身の知らない世界を受け入れ無ければならない」と言うこと。

なんでそうなるのか?なぜ受け入れられれないのか?については話すと非常に長くなるので割愛します。

 

正直そう言った方は終末期医療に限らず全ての新しいことを嫌うでしょうし、敵視をすると思います。

言い方悪いですが、宗教戦争みたいですね。

 

そう言う方の場合ですと

「権威のある人が、上記リハビリテーションの本質」について伝えていくことが癒しになるのではないかと考えます。

実際がんリハをやられている方ならわかると思いますが、

現在のがんリハは既存の技術の応用によって成り立っている部分が非常に多いですので

いわゆる「師匠」に当たる人が、それら技術のがん分野への応用をテーマに説けばいいのだと思います。

 

ただ、そう言った方の場合、本質はどんなものでも「俺が治してやった」と「自分主体の医療」になることが経験上非常に多いので、患者様により良いリハビリテーションが提供できるのか・・?

と言われると私は疑問ですね。私自身そう言った方に散々傷つけられてきし、傷つけられた患者様も多くみているので、ちょっと感情的になってしまいますね。

 

仮説①まとめ

  • 「患者様を治すことこそがリハビリだ」という信念を持っているThが存在する。
  • 「自分の知らない世界を受け入れることができない」事が拒否の原因である。
  • そう言った場合、自己肯定のために他者への排他的な行動につながることが多い。
  • そう言った方を癒す場合、師匠など権威のある人が既存の技術の応用であることを強調し、発信していく。
  • しかし、一歩間違えれば医療者の自己満足の主体の医療となる為、本質的にがん医療分野に向くかと言われれば疑問が残る。

とりあえずざっくりまとめると仮説①はこんな感じでしょうか?

FB等でご意見いただければ幸いです

つづきはまた、近日中に。

FBはこちら

 

藤田

 終末期リハビリテーション講習会情報はこちら

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

 

「がん患者は看たくない」理由を知ればバーンアウトは減る?①

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 

お久しぶりです、また少しずつやっていきたいと思います。

 

先日、こんな話を耳にしました。

とある急性期・回復期の病院が癌患者の受け入れを行います。という流れになったらしいのですが、

その中のリハビリ職員の方がこういったそうです。

 

「私はがん患者は見たくないです」

 

詳細については分からないのですが、そういう言葉が聞かれたそうです。

 

色々と突っ込みどころはあるのですが、この職員を「ダメなやつだ」と断罪してしまうのはあまりにもナンセンスだと思います。

 

なぜ、そう思ったのだろう?なぜその職員はそんなにも傷ついているのだろう?と言うところを考えることに意味があるのではないでしょうか?

 

「看たくない」理由を考え、それについて対策を練ることができれば、おのずと職員のバーンアウトは減り、リハビリテーションの質も上がるのではないかと思いました。

 

このブログをお読みになった皆様は「なぜ?」だと思いますか?

 

是非考えてみてください、私の考えは、また近日中に記事にしたいと思います。

 

藤田

 

 終末期リハビリテーション講習会情報はこちら

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

 

 

ホームページができました。

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

以前記事にした自費でのターミナルサポートケア

 

ホームページができました↓

http://suisenka.com/terminal.html

 

自宅でのリハビリは訪問リハが既にあります。

わざわざ高い料金を払って自費で行おうとする方も少ないかもしれません。

もしそうなのであればそれは私としてもうれしいことです。

 

私が一番重要だと考えている事は「リハビリをやりたくても医療側の都合できない」人がいるのではないかと言うところです。

 

「訪問リハは週1回と決められてしまった。もっとできないのか?私の病状が重いから少ないの?」

 

実際に患者様が話された言葉です。

 

我々リハビリは「その方一人一人へ色々な可能性を提示できる職業」でありたいと思っています。

医療者や家族ではなく、ご本人が主体となりそれを皆でサポートするその中にリハビリはどうやって入っていけるのか、その可能性を探っていきたいと思います。

 

自費リハビリに興味がある方、最期まで自分らしさを保ちながら生活されたい方がもしいらっしゃれば、是非ご連絡ください。

 

HPはコチラ

http://suisenka.com/terminal.html

最期まで父親としての姿を見せる

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 
 
終末期リハ、そして私の行っている自費リハビリテーション事業「ターミナルサポートケア」でできること。
 
 

2,息子に最後の父親としての姿を見せる

 
末期癌のBさんは体を動かすこともままならず、動くことでの痛みや強い疲労感もありました。
 
せめてトイレには行けないか?とリハビリの依頼が来ました。
 
Bさんは言いました「家族に迷惑をかけてしまうことが辛い」
 
そして
 
「家族に動けなくなったことを見られるのが辛い」
 
所謂高度成長期にバリバリ働き、日本を支えたBさん
 
威厳のある父親を理想としていたBさんにとって、他人の力を借りること弱さを見せることは耐え難い苦痛でした。
 
「できるだけ自分の力でできる様にしてみましょう」
 
ポータブルトイレを設置し、移る練習をリハビリで行い、何とか看護師さんやご家族の介助でトイレにいけることができました。
 
「できれば自分でやりたいけど」とBさんは話されており、必ずしも全ての願いがかなったわけではありませんでしたが
 
リハビリに私が伺うとにこやかな顔で出迎えていただきました。
 
リハビリの方はその後マッサージと移る練習を交互に行い、休む時間を取りながら行いました。
 
病状は進みます
 
トイレに移ることも厳しくなり、立つこともままならなくなったBさん
ある日お部屋に伺うとそこに息子さんとその婚約者の方がいらっしゃいました、
 
「Bさん、今日のリハビリどうします?」
 
「先生は大変かもしれませんが、立ちたいです、手伝ってください」
 
 
ベッドから降り、立つ練習を希望されました。
実際に立った様子は私が体重を9割は支えたと思います。
 
時間は1〜2分くらいでしょうか。
 
座った後、Bさんは息子さんと婚約者さんに向かって、「幸せになるんだよ」と優しい言葉をかけられていました。
 
 
その2日後、Bさんは逝去されました。
 
何を思って立つ練習を希望されたのかは、Bさんしかわかりません。
もしかすると「父親としての威厳」を取り戻すことができたのかもしれません。
 
終末期リハ・ターミナルサポートケアでは病気を治すことはできません。
 
しかし「自分の理想の父親像を」を取り戻すお手伝いする事もできるかもしれません。
 
ご興味のある方は是非ご連絡ください
 
 
最期まで、自分で選択できる人生を
 
藤田
 

 終末期リハビリテーション講習会情報はこちら

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

 

ターミナルサポートケアでできること。

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

前回の記事で意志表明しました
自費リハビリの名称は(とりあえず)

『ターミナルサポートケア』という名称にしました。

これからしばらく当ブログでは、私の経験談をもとに
終末期リハビリテーション、ターミナルサポートケアでどんなことができるのか、できたのかをお伝えしたいと思います。

どちらかというと受ける側…患者様向けの記事になると思います。


ターミナルサポートケアで出来ること。

1.歩いて新幹線を見に行きたい

末期癌のAさんは病棟のベッドで特に何をするでもなく寝ている時間ばかりを過ごしていました。

もともと旅行が大好きで、毎年電車に乗り東北へ、もうそれができない事もご自身でわかっていました。

そんなAさんに歩く練習を目的にリハビリが処方されます。

目的を見出せない中でのスタート、当然「もうすぐ死んじゃうんだし、なんもやんなくていいよ」と。

マッサージをしながら話をしていくうちに「今度東北に新しい電車が走るんだよね」と話されました。

東北新幹線開通直後の話です。


「では、新幹線見に行きましょうか、はじめは車椅子から。」

車椅子に乗って病院の屋上へ、目的の東北新幹線は見えませんでしたが「久々に電車を見れた」と笑顔でした。

数日後、Aさんは言いました「歩いて見に行きたい」

新幹線を見に行くリハビリがスタートしました。

歩くことには相当のエネルギーを使います。寝ていた方が、車椅子に乗っていた方がよっぽど楽ではあります。

それでもAさんは自身の命を燃やしながら、新幹線の見える場所へ。

当時まだ本数が少なかったせいか、なかなか見ることはできませんでしたが

Aさんは時刻表を調べ、目撃証言を集めるなどして、苦労の末(リハビリの時間調整も大変でした…)東北新幹線も見ることができました。

Aさんは泣いていました。

病状は進みます。

「次は写真を撮るんだ」とカメラを購入した頃には歩くことはできませんでした。

Aさんは私にカメラを手渡し「代わりに写真撮ってくれよ」と話されました。

私が撮った写真はお世辞にも上手くはなく、「何やってんだよ〜」と笑われました。

そのやり取りの翌週、Aさんは亡くなられました。

最後に交わした言葉は「なんかちょっと調子悪いんだよね、『また明日』」でした。

亡くなられた日、いつもの場所に向かうと、ちょうどそのタイミングで東北新幹線が走っていくのが見えました。

もしかすると早速東北旅行に行ったのかもしれませんね。

ターミナルサポートケアでは病気を治すことはできません。

しかし「寝てばかりじゃなくて、起きて新幹線を見に行きたい」をお手伝いする事もできるかもしれません。

ご興味のある方は是非ご連絡ください

藤田

終末期の方への自費リハという選択

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 

常日頃、緩和ケア病棟の患者様と関わっていますが、勿論自宅退院される方もおられます。

その中で言われた言葉

「退院してからどうしよう、リハビリもないし、訪問リハは週1回、初対面の人だったりするのも心配だ」

 

そして言われた言葉

「藤田さん、うちには来てくれないの?」

 

先日の意見交換会でも同様のエピソードを耳にしました。

その言葉に対して私は契約の問題をやんわりと盾にしながら「できない」と答えていました。

退院し、最期の時間を家で過ごす。

その生活の中にリハビリを加えたいという患者様の医療選択の自由をこちらの都合で潰してしまってよいのだろうか?

 

終末期医療の分野に携わり10年、色々な方に出会い、色々な方の遺志や生き方を託されている者として

これから最期を迎える方が最期まで生きる権利と死ぬ権利を保障されていく社会を作る為に、動いていく必要があると思いました。

 

患者様が、最期の時間を自分が選択した方法で迎えるため、医療者の都合でリハビリの有無を決めないために

 

自費での終末期患者様のための訪問サポートを行うことにしました。

 

とはいっても、私の仕事がない水曜日限定になりますし、自費である以上病院での診察以上にお値段はかかります。

勿論法律的には合法ではありますが、自費診療を行う際は病院の所属ではなくなるため、様々な障害があることも理解はしています。

藤田の今の仕事は非常勤であり、その分身軽に色々なことができると考え、このような結論になりました。

 

突飛なことを言っているのかもしれませんし、批判的なご意見もあるかもしれません(現に終末期リハ自体に対しても否定的なご意見を言われることもあります)

 

しかし、「藤田さんに見てもらいたい、専属契約はできないのか?」と希望されながら、私の都合であきらめなければならず、亡くなられた方が何人もいる現状も事実です。

 

先日ふと思い始めたばかりなので、具体的なことは今後詰めなければなりません、HPは現在作成中ですので追ってこちらで報告します。

 

 終末期リハビリテーション講習会情報はこちら

kanwakea-fujita.hatenablog.com