バーンアウトはなぜ起こってしまうのか?
こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。
前回の記事にて、終末医療に携わる者の根幹として必要なものは「他者の理解と存在の肯定」であると書きました。
kanwakea-fujita.hatenablog.com
そして、その部分というものが
なぜ終末期医療に携わる者が少ないのか、バーンアウトしてしまうのか?
という理由に繋がります。
バーンアウトを引き起こす原因として
「尽力するが逝去されることでの徒労感」
「あの時ああすればよかったと言う後悔」
「逝去されることでの自分の無力さの実感」
等があげられます。
「一生懸命頑張ったからこそ死に抗えなかったことへの後悔」
であると捉えることもできると思います。
バーンアウトをしないための具体的な対策としてあげることは個々のコーピングパターンによって違うため、難しい部分があり、教科書等でも表しにくい部分だと思われます。
デスカンファレンスは語りを用いることでコーピングと共有をする場であるともいえます。
終末期・緩和ケアに携わる者として喪失は避けて通れない部分ですが、前回記事にしたように「自身にとって終末期医療の根幹の部分」を明確化することで
燃え尽きることなく患者様に向き合うことができると思います。
バーンアウトの背景として「根幹として自身が生命に対する考え方が偏っている」事が多くみられます。
まず大前提になるのは
「患者様の人生を自身の感情で揺れることがなく肯定できたか」
ということです。良く聞かれるのが
「○○さんの訴えに対応するのがとても大変だった」
勿論医療者の努力は並々ならぬものですが
厳しいことを書けば
「患者様の我儘に頑張って「私は」応えました」
と患者様の訴えを肯定できず「嫌々ながら」対応したとも捉えることもできます
勿論すべてではないと思いますし、その考え自体を否定するつもりはありませんが、自身の人間的な価値観とずれた際に、心理的負担は増大するのではないでしょうか?
徒労感も後悔も無力さの実感もよりご本人の生活・人生を実感し肯定したうえで関わることができれば、逝去された際に医療者自身が傷つくことも少なくなると実感しております。
では、本質的に他者を肯定するためにはどうすればよいか?
具体的には「自己分析」になります。
自身がどのようなときに笑い、怒り、イライラし、軽蔑してしまうのか。
「患者様だからそういった感情は押し殺さなければいけない」ではなく
関わりの中で感情が動いた瞬間から目をそむけずに、分析してみてください。
他者に対するネガティブな感情がどうして生まれるかについても、後程記事にしたいと思います。
今回、いつも以上に文章が煩雑になってしまいました、申し訳ありません。
死について、もっと前へ
藤田
終末期リハビリテーション講習会情報はこちら↓
kanwakea-fujita.hatenablog.com