終末期・緩和ケアを専門とする作業療法士のブログ~死について、もっと前へ…~

終末期・緩和ケア分野で働いている作業療法士の藤田と申します。日々の臨床で感じること、思ったこと今までの経験などを書き記していきたいと思います。終末期リハビリはまだまだ始まったばかりの分野です、意見交換できれば幸いです。

作業療法

終末期分野の優先順位の低さに対してどうするべきか?

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 前回、リハビリの優先順位 について私見を述べました。 kanwakea-fujita.hatenablog.com そこで出た結論としてはやはり 終末期医療における患者様は、残り少ない時間であるにもかかわらず、医療者側の認識によって…

終末期リハは「優先順位が低い」のか?その中で終末期医療者ができることは?

こんにちは終末期作業療法士の藤田です。 日々の介入の中で患者さんの数が増えてくると、患者様への介入時間や頻度を減らさざるを得ない場面によく遭遇します。そうなると優先的に減らされてしまうのが我々終末期医療の分野なのではないでしょうか? 「優先順…

意見交換会【6月25日】開催のお知らせ 

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。お久しぶりです。大変遅くなってしまいましたが4月30日意見交換会がありました。今回は参加者1名と言うことで1対1でじっくりと話し合うことができました。 kanwakea-fujita.hatenablog.com 色々な話の中で思うこと…

「おじいちゃんの定義」とは?

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。本日患者様と話していたらとても興味深いことをお話し下さいました。 「自分は今70前なんだけれど、この年齢が一番きついんじゃないかと思っている。」 「ゴルフが好きだったし、元気になったらまたしたいなぁと思…

デスカンファレンスに参加します。

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。本日スタッフの方から連絡がありました。 私が長くお世話になり、先日亡くなられた患者様について、来週デスカンファレンスに参加させていただくことになりました。誘っていただけたことを大変うれしく思いました。…

医療者間の信念対立についての雑感

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 ここ最近、色々なことについて考えることがありました、モヤモヤしている部分もあるのですが、筆を執りたいと思いました。 医療者間の信念対立について ここ最近患者様との関わり方について「感情が伴うスタッフと…

「最期の時間にみんなで写真」その時間は誰の為?

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 先日、長きにわたりお世話になった患者様が逝去されました。 私が今の職場に入社してすぐに関わり、退院から終末まで、関わらせていただいた方でした。 私自身が講習会をすること、その方とのリハビリのエピソード…

講習会へのご参加ありがとうございました

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。先日10月30日に第2回講習会が開催されました。 kanwakea-fujita.hatenablog.com 参加者はOT2名 PT1名 Dr1名の計4名 終末期リハビリについて興味のある方が増えることはとてもうれしいですし、同志が増える…

終末期・緩和ケアリハビリについてまとめてみました。

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。10月の講習会に向けて準備の真っ最中でございますが、嬉しいことに。 職場の緩和ケア病棟のNs向けに終末期リハについて講義の依頼が来ました。 テーマは「終末期におけるリハビリテーション」 終末期リハの行うべき…

【講習会情報】終末期・緩和ケアにおけるスピリチュアルケアを取り入れたリハビリテーションアプローチ~ナラティブ超入門~

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 さる9月4日初回面接についての講習会を行いました。ご参加いただいた皆様…誠にありがとうございました。 ロールプレイを交えながら、「患者様のリアルな感情」を感じていただければ幸いです。 kanwakea-fujita.hat…

「がん患者は看たくない」理由を知ればバーンアウトは減る?①

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 お久しぶりです、また少しずつやっていきたいと思います。 先日、こんな話を耳にしました。 とある急性期・回復期の病院が癌患者の受け入れを行います。という流れになったらしいのですが、 その中のリハビリ職員…

終末期の方への自費リハという選択

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 常日頃、緩和ケア病棟の患者様と関わっていますが、勿論自宅退院される方もおられます。 その中で言われた言葉 「退院してからどうしよう、リハビリもないし、訪問リハは週1回、初対面の人だったりするのも心配だ…

意見交換会を行いました

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 フェイスブックはコチラ 先日浦和の某喫茶店にて終末期リハビリテーションについての意見交換会をおこないました。 意見交換会といってもそんな大それたものではなくて コーヒー一杯で三時間ほど居座り、日々の業…

終末期におけるリハビリテーション⑤ 生活意欲の向上

こんにちは、終末期・緩和ケア作業療法士の藤田です。 諸事情ありまして、前回更新からだいぶ期間が空いてしました。facebookのほうでは時々つぶやいていますので、そちらもご参照ください。 今回は前回の続きになる 「生活意欲の向上」になります。 前回の…

終末期におけるリハビリテーション③~身体機能の再認識~

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です 終末期・緩和ケア分野におけるリハビリテーションの役割 今回は身体機能の再認識について 自己分析から得られるもの 前回の「自己分析」と重複する部分があります 医療者の介入ですべてではないにしても自己分析が進…

終末期におけるリハビリテーション~自己分析の促し~

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 おかげさまで前回の記事に多くのアクセスが付きました。 終末期におけるリハビリテーション①~関係性の再構築~ - 終末期・緩和ケアを専門とする作業療法士のブログ~死について、もっと前へ…~ それだけ終末期リ…

終末期におけるリハビリテーション~はじめに~

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 先日「藤田さんは終末期の方に何をしているのかよくわからない」と言われました。 終末期・緩和ケア分野のリハビリテーションがまだまだ発展途上なのだなぁということをひしひしと感じました。 来年、勉強会を開く…

一般病棟での終末期患者様への介入。

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 先日、珍しく一般病棟の患者様を受け持つことがありました。 とはいえ、余命は短い月単位、脊椎転移が急激に進行し、不完全ながらも立位はほぼ不可能となった対麻痺の患者様です。 病状説明もまだされておらず、患…

ロビン・ウィリアムズ氏の自殺から考える今後の医療の在り方

こんにちは 終末期作業療法士の藤田です。 少し前になりますが、このような記事を見かけました headlines.yahoo.co.jp ロビン・ウィリアムズ氏が先日自ら命を絶たれ、衝撃が走りました。 その中で藤田が気になった文章以下の部分 2011年にロビンと結婚したス…

デスカンファレンスに参加しました②

こんにちは終末期作業療法士の藤田です 本日、2回目のデスカンファレンスに参加させていただくことになりました。 とはいえスタッフの皆様多忙の為時間は20分ほど。 以前のデスカンファレンスに望むことという記事を書きましたが kanwakea-fujita.hatenab…

終末期医療における「休みましょう」の責任の重さ

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です 先日の講演会で一番驚かれたことは 「リハビリのあとには必ずマッサージや、体をさするなどのリラクゼーションをしましょう」 という内容でした。 終末期医療、緩和ケアリハビリテーションにとって介入後マッサージ…

ご本人のHOPEとはなにか?

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です 先日、Rh介入をしているときにこんなことがありました。 予後が日単位となった患者様(半覚醒状態ではありますがY/Nは可能)にマッサージ介入をしていたところ、スタッフが病室に来室、その時の言葉 「藤田さん、電…

緩和ケアとリハビリテーションについて講演をしました。

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です (10月4日(日)~10日(土)) どうも今週一週間は緩和ケア週間であるとのことでして、初めて知りました。 [特定非営利活動法人 日本ホスピス緩和ケア協会] 詳細はこちらから。 ということで私もプログラムの中に入り、…

自身のバーンアウトの傾向を知る

こんにちは、終末期作業療法士藤田です 前回バーンアウトについて書かせていただきました。 kanwakea-fujita.hatenablog.com 先日、私自身が「ああ、これが燃え尽き症候群の形なのか」と経験する機会がありましたので、体験談として記載したいと思います。 …

バーンアウトはなぜ起こってしまうのか?

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 前回の記事にて、終末医療に携わる者の根幹として必要なものは「他者の理解と存在の肯定」であると書きました。 kanwakea-fujita.hatenablog.com そして、その部分というものが なぜ終末期医療に携わる者が少ない…

終末期医療に携わる者の根幹

こんにちは終末期・緩和ケア作業療法士の藤田です 今回は患者様との介入の中で、まず心がけなければならないことについて、藤田の私見を書いていきたいと思います。 キーワードになるのは「他者の理解と存在の肯定」 ・・・そう書くと宗教的な文章に感じられ…

ご家族様のスピリチュアルペイン

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です 深い鎮静がかかった中での介入をした際、同席されたご家族様がつぶやきました。 「父が亡くなった時、服を着せようとしたら、まるで蝋人形のようにカチカチでまるでモノのようだったことがすごくショックだった。母…

終末期・緩和ケア分野を志す作業療法士が悩むこと

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。 先日癌終末期分野に携わって半年の作業療法士さんとお話をする機会がありました。 始めたばかりということで様々なことが難しい、大変であると話されていました。 その中で特に気になった点は 「Ptの希望に歩行練…

終末期リハビリOTがデスカンファレンスに望むこと

こんにちは、作業療法士の藤田です デスカンファレンスについて、藤田個人として望むことは 「先に進むことができるカンファレンスであってほしい」 それに尽きます。 もちろん「感情の吐露の場」として機能させることも大切ですが、やはり患者様が文字通り…

デスカンファレンスの意味はなんなのか?

こんにちは、作業療法士の藤田です。 「デスカンファレンスは何のためにやるのか理解できない、ただの傷のなめ合いに意味はない」 そんなことを同業者(終末期リハビリを分野にされていない方)に言われたことがあります。 一理あるなぁとも思いました。 そも…