こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。
前回、リハビリの優先順位 について私見を述べました。
kanwakea-fujita.hatenablog.com
そこで出た結論としてはやはり
終末期医療における患者様は、残り少ない時間であるにもかかわらず、医療者側の認識によって「やりたいことをはく奪される可能性が高くなる。」 という結論になってしまいます。
終末期リハは「優先順位が低い」のか?その中で終末期医療者ができることは? - 【講習会毎月開催】終末期・緩和ケアを専門とする作業療法士のブログ~死について、もっと前へ…~
と言う結論になってしまします。もちろんすべてではないことは承知ですが。
我々ができることはなんだろうと考えた時に、やはり重要になるのは。
医療者と患者様との対話と共有
であると感じます。(またそれか…と思われたらすいません、しかしこれがスピリチュアルケアにおける全ての根幹になります)
要するに患者様と関わっていく際に「現状の医療について」であったり「リハビリ部門の現状(人員等)」であったりをきちんと伝え、共有していく必要があるのではないか?と言うことです。
具体的に言えば
「終末期リハは残念ながら現状では優先順位が引くいため、回数を減らされることがあるかもしれない」
であったり
「終末期リハ日携わる医療者が全国的に少ないため、患者様の数が増えた時に一人あたりにできる回数が減る可能性がある」
等になります。
勿論ただ言いっぱなしではなく、「できる限りのことはしたい」であったり「これは医療者側の問題であり患者様のせいでも病気のせいでもない」事についても共有していくことが必要です。
「患者様に対して言い訳をするな」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんし、実際私も言われたことがたくさんあります。
しかしそれ以上に「何故やりたい事をさせてもらえないのか?話が違うじゃないか?」と言われることも多いのです。
全ての方に適応できるものではありませんが、「医療者と患者様の壁」についてもう一度考えてみてもいいのかもしれません。
因みにここ最近の患者様との関わりで感じることは
「我々以上に終末期医療について知っている」
と言うことです。当たり前と言えば当たり前です、自分の最後をどのようにしていきたいか、我々がのほほんと死について考えている間に、常にリアルな場にいる方々です。
介入前に「自分はこうやって死にたい」と話される方も少なくありません。
それに対して中途半端な気遣いで「騙された」と思わせてしまうのであれば、もういっそ「現状の医療の問題点、終末期患者様に対する優先度、差別的な目線」に対して共有し、その中でどのように最期の時間を過ごすのか。
スタートラインをよりリアルな場所に置き換える作業も必要になってくるかもしれません。
終末期患者様に対しての医療の優先順位について、それ以外にも方法は沢山あると思います
できれば急性期・回復期リハと同様「身体・心理・スピリチュアルすべて同列に適切な評価の中で必要な介入量・頻度を設定し、共有する」
事が理想ではありますが、今日明日では変わるものではないですので、現状を伝えていくことも必要なのではないかと思いました。
まずは「きちんと見せたくないものも含めて患者様と話し合おう」ということを提案させていただきます。
すこしでも死について、終末期リハにご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ意見交換しましょう。
次回意見交換会は6月最終日曜日です。
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