終末期・緩和ケアリハビリについてまとめてみました。
こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。
10月の講習会に向けて準備の真っ最中でございますが、嬉しいことに。
職場の緩和ケア病棟のNs向けに終末期リハについて講義の依頼が来ました。
テーマは「終末期におけるリハビリテーション」
終末期リハの行うべき範囲はシンプルでありながら非常に広いです、どういったところを話せばいいのか…本番まであと2週間ほどで何とかしないといけません。
どのような形でやるにせよ、改めて終末期リハビリについてまとめたいと思います。ほぼ自分の思考整理のものですが、是非ご参照ください。
- そもそもリハビリテーションとはなにか?
リハビリテーションとは簡単に言えば復権です。
自宅退院させる仕事、歩かせる仕事、そのようなイメージが先行していますが、目指すところはその先の「人として当然の権利を取り戻すこと」にあります。
- 終末期における復権となにか?
終末期における復権とは「病気になり、医療の介入を受けることで生じた関係性の変化、パワーバランスを修正し、その人にとっての『生きる権利』と『死ぬ権利』を取り戻すこと」です。
- 何故医療の介入で関係性が変化するのか?
病気になると「弱者」とみなされる社会構造がある為です。
本人の意思に関わらず「病人=支援する必要がある人」とみなされることで、病気や障害の有無に限らず本来平行であるはずの関係が強者-弱者の構造に変化します。(勿論すべてではないが。)
- 関係性が変化するとどういった問題点が起こるのか?
患者様ご自身の人生の決定権のかじ取りが医療者や家族主体にすり替わることが増え、「その人らしい生活=主体的な生きる権利・死ぬ権利」が保証されにくくなります。
患者様の希望、信念に対して「危険だから」「認知症だから」「メンタルが弱いから。」等は
医療の現場で非常によく聞く言葉ですが、それは医療者自身が患者様の行動、希望、信念を受け入れられない為につく便利は言葉なだけです。
- では、リハビリは何ができるのか?
患者様の人生の選択を聴き、そのうえで専門家としての知識、技術をもとに種々の選択肢を提示し、検討していくことがリハビリの役割であり、決して強制したり、選択を否定するようなことをしてはいけない。
トイレ動作で例を挙げれば
患者様が「何としてでもトイレに行きたい」という選択をされたときに。
現状難しい場合でも否定するのではなく道具や方法、場所、介助量、ご家族の考え等をどこまで調整していくのか?
プロとしてきちんと現状を提示・共有した上で改めてどうしていくのかご本人と検討し、選択しやすい環境を作り、その方の人生の選択権を保証し「復権」する仕事です。(その中には当然「医療者にゆだねる」も選択肢に入ります。)
- より良い最期とは
より良い最期を迎えることができるようにお手伝いする仕事ですが、その人のより良い最期は医療者の理想とする最期とはかけ離れたものになることがほとんどです。
あくまで「医療者のエゴ」ではなく「患者様が望む生活・目標・最期」を聴き、できるできないも含めて共有することがほんのわずかなことではありますが「その人らしい最後」に繋がります。
限りなくざっくりとまとめるとこんな感じでしょうか?
終末期リハビリの基本は非常にシンプルであるということがベースとなり、そのうえでナラティブやスピリチュアルケアの意味合いとしての介入を行うことになります。
上記内容をより詳しく、ナラティブ・スピリチュアルケアの側面からとらえたアプローチ方法については講習会でもお話ししております。
ご興味にもある方は下記リンクまでよろしくお願いします。
終末期リハビリテーション講習会はこちら↓
kanwakea-fujita.hatenablog.com