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【講習会毎月開催】終末期・緩和ケアを専門とする作業療法士のブログ~死について、もっと前へ…~

終末期・緩和ケア分野で働いている作業療法士の藤田と申します。日々の臨床で感じること、思ったこと今までの経験などを書き記していきたいと思います。終末期リハビリはまだまだ始まったばかりの分野です、意見交換できれば幸いです。

終末期におけるリハビリテーション⑤ 生活意欲の向上

作業療法 終末医療 緩和ケア 治療のベース

こんにちは、終末期・緩和ケア作業療法士の藤田です。

 

 

諸事情ありまして、前回更新からだいぶ期間が空いてしました。facebookのほうでは時々つぶやいていますので、そちらもご参照ください。

今回は前回の続きになる

「生活意欲の向上」になります。

前回の記事はこちら

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

生活意欲の向上とは?

 生活意欲の向上というと、何となくイメージが湧く人も多いとおもいます。

平ったくいうと「やる気が出てもう一度活動をはじめる」なのですが、終末期の分野において「復権」の意味合いがより強まります。

生きる・死ぬ権利を取り戻す重要な事柄

何度も書いておりますが、リハビリテーションの本質とは、「治すこと・よくすること」ではなく「人としての権利を取り戻すこと」です。

終末期リハビリにおいての生活意欲の向上とは、「ふたたび人として生きる権利・死ぬ権利を取り戻すための重要な事柄」であるとも考えられます。

 

リハビリでできること

生活意欲を向上させるためにリハビリでできることは様々です。

①歩行練習 ADL訓練を用いたアプローチ

 恐らく最もリハビリが得意とするものでしょうか、患者様のHOPEになりやすい部分へアプローチし、歩けること、トイレに行けることができる、もしくはできる見通しが立つことで、これからの自分の生き方に向き合う「生活意欲が向上する」につながります。

 

②対話を用いてのアプローチ

残念ながら現在の医療では入院することで人は弱者とみなされる構造になることが非常に多いです。

高齢の入院患者様に対してまるで赤ちゃん言葉のような話し方をしたことはありませんか?

「入院したら子供扱いされた、私に人権はないのか?」実際に患者様から言われた言葉です。

リハビリは治療構造上一対一になることが非常に多いです。だからこそ対話という者には十分に配慮しなければなりません。その為には以前書いたようにTh個人の自己分析も必要になります。

患者様が心情を言語化し、今後の生活への見通しにつなげることは復権のための最重要項目です。

対話についての記事も今後作成予定です。

 

③他者とのコミュニケーションツールとして

②と近い部分ではありますが、入院生活のなかでリハビリというのは数少ないイベントになります。

言い方は変ですが映画を見に行く、遊びに行くと構造が近いと感じる患者様もおられます。

「リハビリで〇〇なことがあった、リハビリの人が✖️✖️なことを言っていた」と言った他者との会話ツールとして機能することで

ご本人やご家族から「入院して何もできなくなった」のイメージを払うことも出来ます。

以前患者様に言われた言葉

「緩和病棟に来たらもう終わりだと思った、でもリハビリが始まって、その事で看護婦さんや先生がいっぱい話してくれて、家に帰ってみようかなと思えるようになりました」

もちろん全てがリハビリのおかげではありませんが、そういった側面を持つということは頭に入れて降りても良いかもしれません。

 

又、予後が日単位になった患者様の場合にはご家族へリハビリの様子を伝え、共有することは、グリーフケアの一助にもなります。 

注意すべきこと

生活意欲が向上することは医療者としてもとてもやりがいを感じる部分になりえます。「自分が、リハビリが入ったことで患者様が良くなった」そう思われることもあるかもしれません、もちろんそれはすばらしいことです。

しかし注意しなければならないのは例によって

「医療者の自己満足が目標ではない」ということです。

時々聞きます「治すことが楽しい」それは患者様のためなのか?それとも自分の為なのか?

意欲を向上させることを医療者のエゴで強要させないよう注意しなければなりません

 

まとめ

今回は生活意欲の向上についてまとめました。

・ 生活意欲の向上は患者様が人として生きる権利、死ねる権利の復権をするにあたって重要な事柄である。

・ リハビリテーションアプローチによって「何もできなくなった」を「これができた」に変換する。

・ アプローチの方法は様々であり、Thとして、人としてそれぞれの特性が生かされる。

・ 意欲の向上を目的とする場合、医療者のエゴで進めてしまわないように十分注意する。

 

こういった部分でしょうか。

前回の生活範囲の拡大・今回の意欲の向上、どちらも患者様の「復権」のために重要な事柄ではありますが、同時に医療者のエゴや差別感が見え隠れするものでもあります。

 

そういった自分の感情に押し潰されないためにも、自身の人間性を読み解くことが最終的には患者様のよりよい生活の繋がるのではないかと思います。

 

藤田

 

 終末期リハビリテーション講習会情報はこちら

kanwakea-fujita.hatenablog.com