終末期医療における「休みましょう」の責任の重さ
こんにちは、終末期作業療法士の藤田です
先日の講演会で一番驚かれたことは
「リハビリのあとには必ずマッサージや、体をさするなどのリラクゼーションをしましょう」
という内容でした。
終末期医療、緩和ケアリハビリテーションにとって介入後マッサージなどのリラクゼーション介入を行うことの有用性については多くの先生方がお話しされていることでして。
つい私も当たり前のように話してしまいましたが、思いがけない反応に驚きました。
その背景にあるのは所謂「高度経済成長世代」「団塊の世代」にとっての
強迫的ともいえる「身体性への依存」と「活動に対する依存」
言い換えれば
「休むことへの罪悪感」であると言えます。
終末期医療に携わる中で、このことについてとある患者様の言葉が印象に残っています。それは
「休むという概念を俺は知らない、休むのはいけないことだと思う」
といった語りでした。
この言葉は緩和ケア病棟に入院したことで生じた
患者様のスピリチュアルペインであるとも言えます。
時代背景としては「頑張らなきゃ日本が傾いていた」という語りが多く、その背景にあるのは
「自身が頑張ったから下の世代が働けている」という自己肯定になり
我々医療職が大好きな言葉である「その人らしい生き方」の最後の砦にもなりえます。
そのような方に安易に「休みましょう、便利な道具を使いましょう」と伝えることは患者様にとって必ずしも良い言葉になるとは限りません。
今日び患者様に対して無責任に「頑張りましょう」と言う医療従事者は少ないとは思いますが
それと同様に「休みましょう」という言葉に医療者側は依存してはいけないなぁと思いました。
しかし、緩和ケアというものは「痛みを落ち着かせて、それからどうしようか?」という分野になりますので、休息は必要になります。
では患者様のスピリチュアルペインを増大させないようにしながら休息や道具の使用を提案していくか。
次回は私の経験談を書きたいと思います。
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藤田