終末期・緩和ケアを専門とする作業療法士のブログ~死について、もっと前へ…~

終末期・緩和ケア分野で働いている作業療法士の藤田と申します。日々の臨床で感じること、思ったこと今までの経験などを書き記していきたいと思います。終末期リハビリはまだまだ始まったばかりの分野です、意見交換できれば幸いです。

医療者間の信念対立についての雑感

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 

ここ最近、色々なことについて考えることがありました、モヤモヤしている部分もあるのですが、筆を執りたいと思いました。

 

医療者間の信念対立について

ここ最近患者様との関わり方について「感情が伴うスタッフとの意見の相違」が目立つなぁと感じるようになりました。

私の治療の根幹は「患者様の選択と復権」であるのですが、他の医療者にとって必ずしもそれが全てではないようです。

例を挙げるとすると「転倒」リスクが伴うなかでそれでも頑張りたいという患者様の「スピリチュアリティ」を支えるのか「安全」を支えるのか…。

 

言うまでもなく後者は「医療者」を守る側面があるのですが、実際目の前で転ぶことに対しての抵抗であったり、患者様ご自身の「うまくいかない感情」をぶつけられる医療者の心理的負担を考えた場合に無闇に批判はできないなぁとも感じます。

 

そう言った中で患者様に対して「安全」を優先する、何ら間違いではありません。

ただ、「安全」の優先により「スピリチュアリティ」が侵される場面も多く存在します。

「私は人間ではなくなった」何度も患者様から聞いている言葉です。

 

これらは「どちらかが正しく、どちらかが間違っている」という話ではなく、患者様にとって我々が何かをしようとした行為全ては「全てが正しく、全てが間違っている」という非常にあやふやなものですので、どちらも肯定し、否定すべき考え方なのかもしれません。

 

しかし、それぞれの医療者のナラティブの中で確立された「医療とは・治療とは」が強すぎるあまり「信念対立」が起こり「どっちが正しいか?」の論争になってしまう。

 

言い方変ですが、勝ち負けになってしまい、ゆくゆくはバーンアウトにつながるのだろうと思います。

 

私自身、一つの意見に対して別の目線での考え方を言うことが多いのですが、それすなわち「意見の否定」ととられることも多いのかもしれません。

個々の死生観が伴う終末期医療では「意見の否定」=「個人の人格の否定」と捉えてしまいやすい構造にありますのでそりゃまぁ感情的になってしまうんだろうなぁと思いました。

 

もちろん本来の議論であったりカンファレンスであったりはそう言った意味合いを持つものではありません。そういう意味では医療者自身が終末期医療に向き合えるほどのSKILLを有していない、もしくは教育プログラムがないともいえるのかもしれません

 

 

ではどうしていけばよいのだろうか?

 

結局終末期医療を行う上で重要なトレーニングとなるものは「全ての物事を多角的に見ることができるか?」なのだと思います。

患者様が語るものと、医療者としての責務、患者様の死生観と自身の死生観の相違について積極的に議論していく必要はありそうです。

「自分の常識は他人の非常識」という言葉がありますが、そこをきちんと他人と共有していくことなのだろうと思います。

 

相違と私は書きましたが、上記の「安全」と「尊厳」にしても必ずしも違うものばかりではありません。

問題は患者様のナラティブを見ないで、医療者の考えを押し付ける行為、そして患者様の言葉を「精神疾患だ」「認知症だ」とうわ言のようにつぶやいて、自己を安定させる行為なのです。

 

我々医療者としてするべきこと(仕事としての病院のルールであったり、自身の仕事に対するモチベーションであったりするもの)を放棄するのではなく、

それを患者様やご家族様、勿論医療者間できちんと共有する、その上で患者様と話していく。すり合わせていく。考えの違いを医療者のフィルターにかけずに表面に出す。

線引きを「一緒に知る、作る」ここが重要なのだと思います。


毎回私の記事のオチは「医療者の押しつけのエゴではなく対話」と言う風に描くのですが、これはむしろ医療者間にこそ必要なのかもしれません。

職種として、自身の掲げる医療の定義、やりたいことも含めてきちんと情報を出し合うことなのだと思います。


そう言った議論は自分の否定になる、やりたくない、興味がない人が多いことも事実ですが、せめて、興味のある方、信念対立で悩まれる方が破滅の意味でのバーンアウトをたどらないように、我々先人は場を作っていく必要があるのだと思います。

 

特に終末期医療の場合、介入に自身の死生観・信念が色濃く表れることがあります。
前回の講習会で、全てのナラティブは等しいというお話をさせていただきました。

 

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

終末期医療に携わる全ての意見には間違いはありません。

私にとっては医療におけるリスクであると捉える「押しつけ医療」も提唱する人にとっては自身のナラティブなのでしょうから、それも間違いではないのかもしれない。

それぞれの思うことを、他人の否定や攻撃の道具ではなく、話し合えるようにしていきたいですね。

 

すこし難解な話になってしまいますが、それだけ議論が必要な分野なのだと思います。

 

 

しかしそれらを行う場所は「カンファレンスではないなぁ」とも感じました。

カンファがいけないのではなく、業務の枠の中に詰め込めるほど軽い内容ではないからなのだと思います。

幸い私は常日頃職場の後輩や講習会で出会った方々、そして私の師匠や恩師とそう言う話ばかりできる環境にいるので、自然とそう言った目線になることができます。

 

終末期リハ自体が人口の少ない分野ではありますが、今後学校などで「他人のナラティブを知る」授業なんかが始まれば、この分野はもう一歩先に進めるのかもしれません。

 

現実的には難しいと思うので、せめてこういった話し合いの場として私の講習会は機能させていきたいなと感じます。

最期の最後で宣伝みたいになってしまいましたが…。

 

第3回 終末期におけるリハビリテーション講習会は1月29日です。

終末期緩和ケアのリハビリテーション講習会はこちらから

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

藤田

【講習会情報】「自己実現へのアプローチ」 終末期リハにおける「自己肯定」「自己実現」とは何か?

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

12月に入りました、寒くなりますが、皆様ご自愛ください。

さて、次回講習会の日程が決まりましたので報告します。

 

終末期・緩和ケアリハビリテーション
自己実現へのアプローチ」
~終末期リハにおける「自己肯定」「自己実現」とは何か?~

 

日時:
平成27年1月29日 10:00~12:00まで

(講義の進行によって1時間程度の時間延長の可能性あり)


場所:
未来創造スペース~MIRAI AGEO~
http://coworkingcafe-mirai.com/access/
〒362-0035
埼玉県上尾市仲町1-7-27
アークエムビル7F

JR上尾駅より徒歩1分 駐車場完備;8台
通常1時間400円⇒当店利用で1時間100円


参加費 3000円

定員:6名

 

以下概要になります

終末期リハビリ、何となくのイメージはつくような気がするけれど…
実際何を行えばよいのかわからない!…そう思ってしまいませんか?

教科書や文献に乗っている「自己肯定」「自己実現」とはどういったものだろうか?

何となくのイメージが先行しがちな終末期リハビリテーションについて
この上なくリアルな患者様の感情を知り、考え、悩みながら死の臨床に向き合いましょう。


【こんな方にオススメ】
・終末期の患者様を担当するにあたってどうすればよいか分からない
・患者様とのかかわり方に自信が持てない。
・患者様に寄り添ったリハビリを提供したい。
・より患者様目線で医療を提供したい。

終末期医療に必要不可欠な「ナラティブ」を中心に、ロールプレイを交えながら「この上なくリアルな」患者様の心情を経験し、何が必要なのか考えてみましょう!


【内容】

・自己肯定感とは何か?
自己実現は誰の為なのか?
・具体的なアプローチ方法
・実際に聞かれた患者様のリアルな感情
・ロールプレイ実習等…

翌日の臨床で使える実践的な終末期リハビリテーションについてお話しします。

 

前回の講習会でリクエストのあったテーマです。


我々が良く使う自己実現・自己肯定」とはどういったものなのか?

そして、それを臨床に活かす手段である「共有化」とはどういったものであり、どのような方法で行うものなのか?

 

医療者の独りよがりにならないための終末期リハビリテーションについてお話しできれば幸いです。


ご希望の方はこちらの申込フォームからよろしくお願いします。

http://sinka-body.net/kousyuu.html

 

藤田

「最期の時間にみんなで写真」その時間は誰の為?

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 

先日、長きにわたりお世話になった患者様が逝去されました。

 

私が今の職場に入社してすぐに関わり、退院から終末まで、関わらせていただいた方でした。

 

私自身が講習会をすること、その方とのリハビリのエピソードを話していきたいことを快く了承して頂き、応援して頂いた方でした。

 

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 




亡くなる前日、Faの方に呼ばれました。患者様は朦朧とした様子で、私の言葉がどこまで伝わったかはわかりませんが、講習会がうまくいったことを伝えると腕を上げて「よっしゃ~」と言ってくださいました。

そして、関わったスタッフの皆で写真を撮ることとなりました。
最期の時間なのだから、できるだけ笑顔で…なんて思って撮影し、翌日亡くなられました。

 

その出来上がった写真を見て思ったこと。


「この『写真を撮る』行為ははたして誰の為だったのだろうか」

その写真の患者様の顔は、私の知っている患者様とは違う顔でした。4年間、苦楽を共にした方と同じ顔の様には正直、感じませんでした。

 

当たり前と言えば当たり前です。

 

そして、いい顔をした我々医療スタッフとご家族様。


おそらくこの行為は

「患者様との離別を受容しきれない家族や医療者…他者の為のもの」

 

なのだろうと思いました。患者様の良い時間なのではなく、我々第三者の癒しの為。

 

 

遺された我々がまた生活を行っていくための儀式のようなものなのだと感じました。

ある意味では、医療者や家族のためのリハビリテーションともいえるのかもしれません。

 

こういった作業は終末期医療の場面ではよくあります。

しかしそれに対して我々医療者は「患者様のために良いことをした」と錯覚してしまうことも多いのではないでしょうか?

我々の癒しのために患者様が残りの時間を使わさせていただいたことに感謝の気持ちを持ちたいと思います。

 

しかし、考えるべきことは、これら「別れを乗り越えるための作業」は

必ずしも「患者様のための行為」ではないのだろうということです。


最期の時間をスタッフや家族に囲まれて患者さんは嬉しかった「かもしれない」
最期の時間を第三者のエゴに付き合わされてご本人は向こうで怒っている「かもしれない」

勿論真実は誰にもわかりません、唯一答えを知っている患者様は向こうに行ってしまわれたのですから。

 

わからない以上、医療者の都合の良いドラマチックな目線だけで物事は判断できないこと、他人の人生や感情を完全に理解することは100%不可能であること

そして我々医療者が患者様を「弱者」とみなし、他人を操作することに酔ってしまう事についても考えていかなければなりません。


そして他人の分からない感情を恐れ、悩みながら関わっていくことこそが終末期医療を行っていくうえでの最低条件なのだろうと思いました。

こういった話をすると、よく「藤田さんはよくやったよ、患者さんはきっと喜んでいるよ」と励まされることがあります。

そういう肯定し合うことを悪いとは思いません。必要なことだと思います。

しかしその会話は誰の為だろう?

医療者目線は重要ですが、その場の気休めでその場にとどまることに、患者様は喜んでくれるのだろうか?

永遠に答えは出ませんが、それでも人の命と、生き方と関わりたい方は是非意見交換しましょう。

 

終末期緩和ケアのリハビリテーション講習会はこちらから

kanwakea-fujita.hatenablog.com



藤田

講習会へのご参加ありがとうございました

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。


先日10月30日に第2回講習会が開催されました。

 

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

参加者はOT2名 PT1名 Dr1名の計4名


終末期リハビリについて興味のある方が増えることはとてもうれしいですし、同志が増えることは私自身の癒しにもなります。

 

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奥の派手なシャツの人が私。


テーマは終末期におけるナラティブアプローチ

 

昨今この業界でしきりに言われている言葉ですが、それがどういうものなのか?
そしてリハビリテーションの中で行うことでのリスクとは何か?

 

そう言ったことをお話しさせていただきました。

 

終末期におけるリスクとは「狂気」。

そして「狂気」とは、患者様ではなく医療者自身に発生するもの…。

 

この部分がピンと来たかた、興味を持たれた方は是非意見交換できれば幸いです。

 

 

講習会後は近くで食事をしながら意見交換会を行い、生の意見を多数吸収することができました、私にとって非常に有意義な時間となりました。

 

 

そして第3回講習会も開催決定です。

今回のテーマは

「自己肯定」「自己自己実現」「共有化」

 

このあたりをキーワードに行いたいと思います。

 

また、第一回講習会の面接技法についてもリピート開催をしていきたいなと思っておりますので、ご興味のある方は是非ご参加お願いします。

 

~終末期リハビリテーション講習会はこちらから~

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

終末期医療と作業

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

 

10月に入りました。

30日には講習会があります。ご興味のある方は是非ご参加ください。

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

ふと、自分の臨床において、所謂「アクティビティ」を使うことって少ないなぁと感じました。

時々「折り紙と化する仕事でしょ?」と言われることがあります。

 

私自身手工芸が趣味なこともあり、行うこともありまし、やっていて楽しいんですが、個人的に「手作業」には落とし穴があるなぁと感じることがあります。

 

それは「果たしてそれは患者様が望んだものなのか?」と言うことです。

 

以前、こういった言葉を耳にしました。60代の男性

「もう歩けないことは分かるけど、このまま動けなくなりたくない、年寄りと風船つき合ったり、折り紙をすることで人生を終わらせたくない

 

作業療法は作業を用いて患者様の心身両面の機能維持、向上を図るものではあるのですが、その前提として患者様の生活歴、ナラティブ(物語)、スピリチュアリティ等々そう言ったものをきちんと評価した上で適切な作業を提供するものですので

 

評価に合わせて介入を行う…所謂「普通のリハビリ(この表現はおそらく適切ではない)」と同じです。

歩くことに自身の残りの人生を賭けたい方に対して、折り紙を折らせることは、

上腕骨骨折の方に歩行練習を行うようなものです。

 

我々リハビリ職の人間は身体機能はしっかり評価できますが、こういった生活歴の評価は苦手なのではないでしょうか?

そして終末期医療におけるもっとも難しいであろう分野はここなのだと思います。

 

逆にとある患者様。70代女性

「残りの時間、何かをしたい。歩くのではなくて、『私らしいことをしたい』

この方には折り紙を行いました。この作業についてどう思われたのかは永遠にわかりませんが、少なくとも事実として最期までリハビリはさせていただけました。

 

この方にとっての「私らしいこと」が折り紙だったのかは不明ですが、対話の中で得られた(評価した)情報をもとにリハビリプログラムを提案した形です。

 

本来そう言う形になってしかるべきなのに、ついつい「良かれと思って」が先行することが多いのではないかなと感じます。

「患者様の言いなりになってはいけない」という言葉も聞きますが、大切なことは「対話の中で決定していく」事なのだと思います。


少し尖ったことを書くとすると「医療者が患者様を支配したい」関係にならないこと、当たり前の話ではありますが、例によって

 

「『何かしてあげたい』の精神が『弱者はこうでなければいけない』」になってしまわないように…注意していきたいところです。

 

作業の場では取り扱うものが者なだけに特に関係性の変化が生じやすい(患者様を幼児扱いする場面に遭遇したことは非常に多いと思います。)からこそ、対話と評価、適切な作業の立案につなげていきたいところですね。

 

作業についてはまた詳しく書きたいと思います。

 

終末期リハビリテーション講習会はこちらから

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藤田。

終末期・緩和ケアリハビリについてまとめてみました。

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。

10月の講習会に向けて準備の真っ最中でございますが、嬉しいことに。

 

職場の緩和ケア病棟のNs向けに終末期リハについて講義の依頼が来ました。

 

テーマは「終末期におけるリハビリテーション

 

終末期リハの行うべき範囲はシンプルでありながら非常に広いです、どういったところを話せばいいのか…本番まであと2週間ほどで何とかしないといけません。

 

どのような形でやるにせよ、改めて終末期リハビリについてまとめたいと思います。ほぼ自分の思考整理のものですが、是非ご参照ください。

 

 

 

リハビリテーションとは簡単に言えば復権です。
自宅退院させる仕事、歩かせる仕事、そのようなイメージが先行していますが、目指すところはその先の「人として当然の権利を取り戻すこと」にあります。

 

  • 終末期における復権となにか?

終末期における復権とは「病気になり、医療の介入を受けることで生じた関係性の変化、パワーバランスを修正し、その人にとっての『生きる権利』と『死ぬ権利』を取り戻すこと」です。

 

  • 何故医療の介入で関係性が変化するのか?

病気になると「弱者」とみなされる社会構造がある為です。

本人の意思に関わらず「病人=支援する必要がある人」とみなされることで、病気や障害の有無に限らず本来平行であるはずの関係が強者-弱者の構造に変化します。(勿論すべてではないが。)

 

  • 関係性が変化するとどういった問題点が起こるのか?

患者様ご自身の人生の決定権のかじ取りが医療者や家族主体にすり替わることが増え、「その人らしい生活=主体的な生きる権利・死ぬ権利」が保証されにくくなります。

患者様の希望、信念に対して「危険だから」「認知症だから」「メンタルが弱いから。」等は

医療の現場で非常によく聞く言葉ですが、それは医療者自身が患者様の行動、希望、信念を受け入れられない為につく便利は言葉なだけです。

 

  • では、リハビリは何ができるのか?

患者様の人生の選択を聴き、そのうえで専門家としての知識、技術をもとに種々の選択肢を提示し、検討していくことがリハビリの役割であり、決して強制したり、選択を否定するようなことをしてはいけない。


トイレ動作で例を挙げれば

患者様が「何としてでもトイレに行きたい」という選択をされたときに。

現状難しい場合でも否定するのではなく道具や方法、場所、介助量、ご家族の考え等をどこまで調整していくのか?

プロとしてきちんと現状を提示・共有した上で改めてどうしていくのかご本人と検討し、選択しやすい環境を作り、その方の人生の選択権を保証し「復権」する仕事です。(その中には当然「医療者にゆだねる」も選択肢に入ります。)

 

  • より良い最期とは

より良い最期を迎えることができるようにお手伝いする仕事ですが、その人のより良い最期は医療者の理想とする最期とはかけ離れたものになることがほとんどです。

あくまで「医療者のエゴ」ではなく「患者様が望む生活・目標・最期」を聴き、できるできないも含めて共有することがほんのわずかなことではありますが「その人らしい最後」に繋がります。

 

限りなくざっくりとまとめるとこんな感じでしょうか?

 

終末期リハビリの基本は非常にシンプルであるということがベースとなり、そのうえでナラティブやスピリチュアルケアの意味合いとしての介入を行うことになります。

 

上記内容をより詳しく、ナラティブ・スピリチュアルケアの側面からとらえたアプローチ方法については講習会でもお話ししております。

ご興味にもある方は下記リンクまでよろしくお願いします。

 

終末期リハビリテーション講習会はこちら

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

 

【講習会情報】終末期・緩和ケアにおけるスピリチュアルケアを取り入れたリハビリテーションアプローチ~ナラティブ超入門~

こんにちは、終末期作業療法士の藤田です。


さる9月4日初回面接についての講習会を行いました。
ご参加いただいた皆様…誠にありがとうございました。

 

ロールプレイを交えながら、「患者様のリアルな感情」を感じていただければ幸いです。

kanwakea-fujita.hatenablog.com

 

その際に参加者の方から「第二回はあるのか?」とご質問をいただきました。嬉しい限りです。

 

(その場で)第2回講習会が決定、日付は

 

10月30日(日)です

 

今回のテーマはナラティブアプローチスピリチュアルケアについてです。

以下概要になります。

 

 

終末期・緩和ケアにおけるスピリチュアルケアを取り入れたリハビリテーションアプローチ~ナラティブ超入門~

 

終末期リハビリ、何となくのイメージはつくような気がするけれど…
実際何を行えばよいのかわからない!…そう思ってしまいませんか?

最近よく耳にする「ナラティブ」や「スピリチュアルケア」リハビリテーションでどのように活かすことができるのか…一緒に考えてみませんか?

【こんな方にオススメ】
・終末期の患者様を担当するにあたってどうすればよいか分からない
・患者様とのかかわり方に自信が持てない。
・患者様に寄り添ったリハビリを提供したい。
・より患者様目線で医療を提供したい。

終末期医療に必要不可欠な「ナラティブ」を中心に、ロールプレイを交えながら「この上なくリアルな」患者様の心情を経験し、何が必要なのか考えてみましょう!


【内容】

・ナラティブとは何か?
・「狂気」はどのような形で生まれるのか?
・具体的なアプローチ方法
・実際に聞かれた患者様のリアルな感情
・ロールプレイ実習等…
翌日の臨床で使える実践的な終末期リハビリテーションについてお話しします。

 

日時:

平成27年10月30日 10:00~12:00まで
(講義の進行によって1時間程度の時間延長の可能性あり)

 

開催場所

未来創造スペース~MIRAI AGEO~
http://coworkingcafe-mirai.com/access/
〒362-0035
埼玉県上尾市仲町1-7-27
アークエムビル7F

 

参加費 3000円

 

http://sinka-body.net/


【講師紹介】
藤田亮

埼玉県立がんセンター 作業療法士
姿勢発達研究会 認定講師
医療選択の自由を考える会 理事

神経難病からがん分野まで10年以上終末期分野で働き、数百名の患者様の人生の最期に寄り添い、どのような生き方を選ぶのかについて共に考えてきた。

現在は患者様だけではなく医療スタッフがいかにバーンアウトせずに患者様と関わっていけるのか?をテーマに活動中。

お問い合わせ、参加希望の方は以下のリンクよりよろしくお願いします。

http://sinka-body.net/kousyuu.html

※ 申込メールを送ったのに返信メールが来なかった場合は、お手数ですが申込フォームよりご連絡よろしくお願いします。

 

今回はロールプレイを中心に行いたいと思います。

死の臨床で活躍する皆様と是非積極的な意見交換ができれば幸いです。


藤田